予防とメンテナンスの重要性

投稿日:2016年10月28日

カテゴリ:歯周治療の症例

細菌の顕微鏡写真から考える

歯周病:初診時

歯周病歯がグラグラする、口が臭う、入れ歯が合わない・かめない と言うことで来院されました。
このような場合オペラデンタルでは、まず、細菌検査を行います。
あまりに身近であるため意識されませんが、歯の治療は手術です。
「痛い」といった緊急の場合は別として、除菌しないでいきなり歯科治療するというのは皮膚を消毒しないで手術をするようなものかもしれません。

顕微鏡による細菌検査

歯周病口の中の汚れを顕微鏡で観察した所です。
菌が無い人などいる筈はありません。
問題は生息する菌の種類とその数です。

画面右下から左上にかけて見られる、ヘビの様にのたうつ無数の菌が問題です。実際には激しくうごめいています。

歯周病の方からほぼ100%検出される菌です。
人の免疫抵抗を抑制する菌です。
トレポネーマ・デンティコラと言います。スピロヘータの一種です。
いくら一生懸命みがいてもなかなか治らない方は、この菌の存在が疑われます。
まず除菌することからはじめました。

歯周病:2度目の来院 (1週間後)

歯周病上は初診時の写真です。
下は2度目の来院時です。

歯と歯の間の歯ぐきの腫れが少なくなって、ひきしまってきているのがお分かりいただけるでしょうか。
特に難しい指示は出しておりません。
1日3回の食事の後と寝る前に歯みがきしてください、としか申しておりません。

除菌するだけでこれだけの効果が出ます。
菌が少なくなったので、安心して治療が行えます。
菌が少なくなった状態の顕微鏡写真は、診療時間の都合上、撮影できませんでした。近日中に撮影します。

なぜ、予防・メンテナンスが必要か

歯周病これでこの方は除菌されました。
しかし、再び感染します。
なぜなら一緒に生活している家族も同じ菌がいるはずだからです。
一緒に生活していると食事・食器を介してつばが移ります。その時、菌も一緒に移るのです。

また、複数の異性との交渉・活発な性行動においても強く感染します。

「悪くなったら治療すればいい」と言う方もおりますが、最初の状態に戻るわけではないので長期的にはかなり悪い状態になります。
だから、予防・メンテナンスが大切なのです。
再感染していないか調べ、感染していれば早めに何らかの手を打ち、悪くならないようにし、進行を遅らせる、これが大切なのです。
オペラデンタルでは3ヶ月に1度のメンテナンスを行っております。

歯周病のメンテナンスは健康保険が適用されます。
顕微鏡検査には保険適用はありませんが、オペラデンタルでは顕微鏡の検査は無料で行っております。

患者様からの声

つばがサラサラになりました。口の中のネバネバ感がなくなり、さっぱりしました。

患者様の奥様の声

口のにおいが1週間で全く無くなったのには本当に驚きました。

歯科医師から一言

痛みもなく、早く膿が止まるすばらしい治療方法なのですが、
これだけで治るわけではありません。 治療の基本は歯みがきと歯石取りです。
一生懸命、歯みがきと歯石取りをやっているのに膿が止まらないと言う人に効果があります。

そして、歯茎は固く引き締まりますが、失われた骨ができるわけではありません。また、歯茎が引き締まるので歯と歯の間の隙間は大きくなります。それはけっして悪いことではありません。化膿して腫れ上がっていた歯茎が本来の姿になっただけなのです。

失われた骨ができるわけではないので、どうしてもぐらつきが止まらなさそうな歯は早く抜くべきだと思います。
残していると隣の歯の支えている骨まで溶かしてしまうからです。
残すだけが歯周病の治療ではありません。
具体的には次のような歯は抜くべきだと思います。

1.歯を支える骨の量が本来の量の1/3以下になった場合。
2.歯を上から押さえると沈み込むような場合。
3.歯が倒れかけのコマの様にふらふらする場合。
4.歯の股の部分(根分岐部)に骨がない場合。
5.極度に大きな虫歯がある場合。
6.極度に位置が動いて変わってしまった場合。

以上の場合、抜歯しないと治療が進まない場合もあります。
歯がグラグラしていると言うのは残念ながら大抵、末期の状態です。
「歯はグラグラしないが、歯みがきすると血が出る」と言う状態の頃に治療をはじめるのがベストです。

歯を何とか残して欲しいという気持ちはよく分かります。
しかし、残すと健康な歯まで悪くする可能性や、いつまでたっても被せ物や入れ歯、インプラントができず、「咬む」という機能回復ができなくなってしまうと言う可能性もあるのです。

テレビでは抜くことを勧める歯医者は悪い歯医者のように言っているようですが、物事には限度があると言うことを御理解下さい。