歯みがきか、死か:(Floss or Die! )

投稿日:2016年10月28日

カテゴリ:歯周治療の症例

本当は怖い「歯周病」

歯みがきか、死か(Floss or Die! )

歯周病『本当は怖い家庭の医学』という番組で 『本当は怖いむせ返り~静かなる悪魔~』というものをやっていました。口の中のばい菌が胸の中に入って死に至らしめるというものです。

写真は当医院の顕微鏡で撮影した、歯周病のウミの中に多く見られる菌、T-denticola(トレポネーマ デンティコラ)です。形が非常に特徴的で見つけやすいため、歯周病治療の指標としています。

1998年米国歯周病学会

歯周病米国歯周病学会は、1998年に歯周病が循環器系疾患や糖尿病および低体重児出産の大きな危険因子になっているという、センセーショナルな論文を公にし、マスコミが歯みがきか、死か(Floss or Die!)というコピーをつけました。

写真はムシ歯菌の一つ、Streptococcus mutansです。この菌を代表とする連鎖球菌が心内膜炎を起こすこともあります。
虫歯や歯周病の予防だけでなく、体の健康のためにも歯みがきは大切なのです。

歯周病によってひきおこされる病気

歯周病歯周病菌は歯ぐきや骨の中の血管にもぐり込んで、血流を介し、心臓や肺などの全身の臓器へ運ばれてしまうのです。血管に入らなくても、消化管や気管、肺に移動してしまうこともあります。
 心臓の冠動脈に移住して動脈壁に変化をもたらすと、狭心症や心筋梗塞をもたらします。近年の研究の結果、心筋梗塞でなくなった方の冠動脈の血管壁の中から歯周病菌が数多く検出されているのです。心臓の血管以外にも、脳の血管壁にあらわれると脳卒中に至ってしまうのです。出血を起こさなくても高血圧症を招き、さらに二次的な全身疾患を引き起こす可能性もあります。
 このほかにも、糖尿病、肺炎、蓄膿症、関節リウマチ、腎炎、胃・十二指腸潰瘍、喘息など、多くの疾患を引き起こす可能性は充分にあるのです。また、病気でなくとも妊婦においては低体重児の早産を招くことも報告されています。

写真は初診時です。医学は発達しましたが、それでも歯を残せない時はあります。医学の限界ではなく、私の限界という時もありますが、末期状態の症例はどんな先生でも難しいと思います。

だから歯みがきは大切

歯周病全身麻酔の手術をする時、口の中を消毒します。胸の中にばい菌が入らないようにするためです。
老人ホームで口の中の清掃を特に力を入れてはじめたら、死亡率が減少したとも言います。また、部屋のにおいがなくなったとも言います。
時間が無いから・・・。と言わずに歯みがきをお願いいたします。歯のためだけではなく体のためにも。きれいにしてくださると、治療もきれいにできるのです。

写真は4ヵ月後の状態です。何とか入れ歯にしないですみました。健康保険ではできない所もありましたが、それでも喜んでいただけました。