2005/10/17更新

深い虫歯の神経を残す、3Mix法
3Mix法について

オペラデンタルでは3Mix(3種の薬剤)にもう1種類加えて4Mixにしています。

次回更新 11月04日(金)を予定しております。


初診時

「時々凍みることがある」ということで来院されました。

初診時エックス線写真

レントゲン写真を撮影した所、金属の詰め物(インレー)の下で虫歯が大きく成長(赤線部分)しておりました。
歯の神経(緑線部分)まで薄紙1枚ほどの距離しかありません。
虫歯菌のいくらかは既に神経まで浸潤していると思われます。
このような場合、例え歯に痛みが無くても神経を除去することとなります。

しかし、今回の場合、ズキズキとした痛みは無く、歯の外周部分(エナメル質)が多く残っていたため、
3Mix法を試みることにしました。

詰め物(インレー)の除去

インレーを除去すると、虫歯菌によってグズグズとなった病変部が現れました。

インレーの中で育った虫歯はなかなか痛みを誘発しません。
なぜなら、このタイプの虫歯は徐々に大きくなっていくのですが、神経は痛みを感じないようにするために、その虫歯から後退していくからです。

神経が虫歯の侵攻から逃げ切れなくなるほど虫歯が大きくなって、ようやく痛み出すのです。
そのような場合、たいてい歯の中は空洞となっています。

虫歯の除去

麻酔をせず、痛みを感じない程度に病変部を除去した所です。
病変部(虫歯)はまだ残っています。

医学の基本は病巣部・病変部の完全除去です。
しかし、その基本を尊重した上で、あえて病変部を残し、抗生物質で虫歯菌を滅菌するのが3Mix法です。

薬剤の保存容器

3Mixという薬が存在するわけではありません。
3種の薬を混ぜ合わせて使うため3Mixといいます。

薬剤を混ぜる

3Mixでは普通、アスゾール、ケフラール(またはミノマイシン)、シプロキサンの3種を混合します。
しかし、オペラデンタルではさらにファンギゾンという薬剤を混ぜ4Mixとしています。

貼薬したところ

薬剤を貼薬し、
薬が漏れないように固まる物質を貼付したところです。
この状態で型どりを行い、
次回金属の詰め物(インレー)が入ります。
虫歯の範囲が狭ければ、レジンと呼ばれる樹脂をつめ、1回で終わることもあります。

歯科医師から一言

私は4年ほど前から3Mix法を行っておりますが、
テレビ等で「削らないで治せる」とか「1日で終わる」といった報道がなされていることに対して、
それは誇大広告ではないかと思っております。
3Mix法は、歯を全く削らない治療法ではありません。

また、このまま一生再治療せずにすむ可能性もありません。

3Mix法は、虫歯をわざと残す治療法です。
虫歯を完全に除去できるならば、そちらを選択した方がむしろ安全です。
なぜなら医療の原則は病変部の完全除去だからです。

この症例のように、ズキズキ痛まないが、神経を抜かないといけないぐらい虫歯が深い場合には有効だと思います。

しかし、歯の神経を残すことによって、毎日痛みや凍みをこらえ、生活に支障をきたすくらいならば、
神経を除去した方がいいと思います。

数年後に痛みが出て、神経を取ることとなっても、数年の延命ができたと考えなければならないと思います。

追記追記
最近(2007)はあまり3Mixの治療をやらなくなってきています。
やはり、虫歯(病変部)を完全に除去し、神経に達するようならば神経を除去した方が、痛みが少なく、もち(予後)も良いと思います。
また、神経の露出がわずかならば、保険が適用される薬剤を用いても、十分効果があると思います。
薬剤は複数混合すると思わぬ作用が出るとも言われています。
どうしても3mixにしたいという方だけ完全な自費治療にて行っております。保険と同じ材料ではありますが、約2万円ほどです。



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