小臼歯を抜かない矯正治療
投稿日:2020年8月31日
カテゴリ:05.矯正(大人)の症例
中学生の女の子です。小臼歯を抜かないで矯正治療ができないかということで来院されました。
犬歯が八重歯になって下の歯と接触していない方は多くの場合、犬歯より奥の歯が40代以降に虫歯や破折などのトラブルに見舞われます。
このように、著しく歯の並ぶスペースがない場合、以下の写真の矢印の歯:第一小臼歯を抜歯してスペースを作り、歯を並べることが多いです。
矯正治療の方法は30種類程度あると言われています。小臼歯を抜くか抜かないか、小学生の頃から始めるか永久歯が生え揃ってから始めるか、装置を表につけるか裏につけるか、ワイヤーを使うかマウスピースを使うかmなどです。
どれが正解ということはありません。どの方法にも利点欠点はあるからです。
当医院では小臼歯を抜かない矯正治療 MEAW法もしくはGEAW法で矯正治療を行なっています。
小臼歯を抜かない理由はこの歯が顎の関節を守っているという考えを持っているためです。
ただし、歯を抜かないわけではありません。親知らず(8番)は抜歯します。また、上顎に関しては第二大臼歯(7番)を抜きます。
「えっ?大臼歯を抜くの?」と思われるかもしれません。しかし大丈夫です。親知らずが20歳頃に生えてきて、あたかも親知らずを抜いたかのような歯並びが完成します。
終了の写真です。
長年の悪い歯並びのせいで顎の関節が右にずれており、そのズレを直すのに時間がかかってしまいました。
当医院は顎のズレ、顎関節の位置を良く診ることに力を入れています。
長い間お疲れ様でした!
期間 | 3年 |
費用 | 50万+1万×36ヶ月+税 |
メリットデメリット |
メリットは小臼歯を抜かないこと デメリットは口元の膨らみを引っ込めること、E-Lineより奥に口元を持ってくること。出っ歯の矯正はもちろんやっていますが、前歯を奥に大きく引っ込めることについてはあまり向いていないと思います。 審美的な好みにもよりますが、あまりにも奥に前歯を引っ込めると、高齢者のような願望になりますので、当医院ではあまり奥に引っ込めすぎないようにしています。 |
大学を卒業して約25年になりますが、長くひとところで診療をしているとどのように歯が失われていくかが見えてきます。歯並びの悪い人はたとえ虫歯や歯周病が軽度であっても、40代半ばくらいから歯が悪くなってきます。
歯並びが悪いという事は、ある特定の歯に力が余計にかかるという事です。その歯が徐々に悪くなってきて、40代半ばくらいから欠損がはじまります。
欠損した所にインプラントや入れ歯を入れても、そもそもそこに過大な力がかかって歯が無くなった場所ですので、インプラントや入れ歯がダメになったり、もしくはそこに噛み合う歯がダメになってきます。
ビッグデータの解析より、受け口の人は明らかに80歳時点で残っている歯の本数がそうでない人よりも少ないという事がわかっております。
40代の方は いまさら歯並びなんて と思わず、40代の方こそ、矯正治療をお勧めします。
40代の方はお子さんも矯正が必要な年ごろです。
当医院では家族割引を行っていますので、ご相談ください。
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