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「小さな虫歯を歯医者に大きく削られた!」と主張する患者さんの大部分はこのような症例です

投稿日:2022年5月15日

カテゴリ:10.歯を抜かない症例 12.虫歯の症例

20歳女性、検診にいらっしゃいました。

健診で虫歯を見つけました。

少し黒い所がありますが穴は開いていません。しかしこれは大きな虫歯です。

黒い部分がすべて虫歯です。表面の固い部分を残して内部で虫歯が発達しているのです。

学校歯科健診などでは光の弱い中、患者さんを立たせたままのぞき込むようにして診断するので、残念ながらこのような虫歯が見えない時もあります。

しかし、だからと言って健診が無駄であるとは言えません。地域の病気の傾向を調べるうえで非常に役立つと考えております。

少し削ると中がグズグズになっておりました。

かなり虫歯に侵された部分(軟化象牙質)を取ったところです。これでも取り切れていない可能性はあります。

そもそも齲蝕検知液を使って虫歯を取りきれたと思っても、虫歯菌は奥深くまでしみ込んでいます。

虫歯と健康な部分とは水と油の様に境界明瞭に分かれているわけではありません。

乾いた砂地に水がしみこむように虫歯は進行します。

よって虫歯を完全に取りきるという事は顕微鏡レベルでも無理であり、取り切ろうとするとすべての症例で神経を露出させてしまう事になります。

この様に大きな虫歯ですが、意外と凍みや痛みはありません。

なぜなら、虫歯が進行すると歯の神経がその虫歯から逃げるようにして一定の距離を保とうとするからです。

痛みが無いからと言って病気が無いわけではありません。

歯医者で1年に1回はレントゲンを撮って状況を確認することをお勧めします。