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小臼歯を抜歯しない矯正治療

投稿日:2021年8月14日

カテゴリ:04.矯正(小児・小学生)の症例 05.矯正(大人)の症例 09.咬み合せの症例

14歳の女の子です。歯並びを主訴として来院されました。
結構強度の乱杭歯です。

正面観です。

上あごの咬合面観です。

下あごの咬合面観です。

 

一般的には真ん中の歯から数えて4番目、第一小臼歯を抜歯し、それによってできた空隙を利用して歯並びを整えていきます。

歯並びを右上・左上・左下・右下の4ブロックに分けたとき、
1ブロックにつき前歯2本・犬歯1本・小臼歯2本・大臼歯2本
となります。

この患者さんには親知らずが上下左右4本ありました。
もし、小臼歯を抜歯して矯正すると
1ブロックにつき前歯2本・犬歯1本・小臼歯本・大臼歯
という、バランスが悪くなることが懸念されました。

矯正治療はそのやり方、治療方針が30以上あるといいます。
当医院では主にMEAW法・GEAW法で行なっております。
特徴として「小臼歯を抜歯しない」ということが挙げられます。
MEAW法・GEAW法では「小臼歯は顎関節が後ろに行くのを防ぎ、顎関節症にならないようにする働きを持っている」という考え方を持っているからです。

この患者さんには8番(親知らず)がありました。
そこで4番(第1小臼歯)を抜歯するのではなく、7番を抜歯しました。
20歳頃、8番が7番の位置に生えてきて、あたかも親知らずを抜歯したかのような歯並びとして完成するからです。
下あごに関しては、埋まっている8番(親知らず)を切開して抜歯しました。
中学生の女の子に埋伏した親知らずの抜歯をするのは非常に心苦しいのですが、これによって本来あるべき4番(第1小臼歯)を抜歯しなくて済みます。

治療途中です。ゴムをご自身でかけてもらわないと、治るどころかより悪くなることがあります

1年9ヶ月後です。

正面観です。

上あご咬合面観です。

下あご咬合面観です。

上あごは奥歯が左右1本ずつ足りません。
しかし20歳頃親知らずが生えてきて、歯並びが完成します。

年齢 性別 14歳 女性
治療費用

55万円+1.1万円×21回+保定装置5.5万円=836,000円(10%の税込)

最大に見積もって1,001,000円(10%の税込。税抜きだと91万円)

治療期間 1年9ヶ月(21ヶ月)
リスク ワイヤーが表から見えます。
当医院では目立たないマウスピース矯正(インビザライン)も行なっていますが、歯並びがあまりにも凸凹の方に関してはワイヤー矯正を勧めています。

 

矯正にはやり方・方法が30以上あるといいます。
「この方法が唯一正しい」というものはなく、求めるものによってやり方が違うとお考えください。