咬み合せ治療・咬合精密診断

咬み合せは歯科治療において最も重要なことです

咬み合せ

お口は呼吸する、喋る、食べる、飲むというように様々な用途でとても複雑な動きをしますが、そのすべての動きのベースとなっているのが咬み合せです。単に歯と歯の接触という意味ではなく、顎の関節の動きが適切に働いているかというのが咬み合せを判断する重要なことになります。

歯はアゴの骨の上に存在しておりますから、歯科治療においてこのアゴの動きを正常に化する治療である咬み合せ治療は歯科治療において、最も重要なファクターであると言っても過言ではありません。

こんな症状はありませんか? ~咬み合せ不整・顎関節症の症状~

  • アゴがパキパキと音が鳴る
  • 口を大きく開けるとアゴの関節が痛い
  • 歯ぎしり・食いしばりをする
  • 口が開かない
  • 歯が割れたことがある
  • 歯がすり減っている

つめ物が割れる、入れ歯が合わないのは咬み合せのせいかも!?

悪いかみ合わせ

顎関節に不整があった場合、顔がゆがんできたり、顎の音がなったり、つめ物がすぐ割れたり、作りなおしたばかりの入れ歯がすぐ合わなくなったり、不定愁訴(肩こりや腰痛、頭痛などの病気ではないが不快な自覚症状のみある状態のこと)が発生するケースがあります。

傾いた土地の上に上質な家を建てても・・・

歪んだアゴ建築で例えてみます。

つめ物や、入れ歯を家とし、土地を顎の骨とします。歪んだ土地の上にどんなに高級な家を建てても欠陥住宅となり、ちょっとしたことで壁にヒビが入ったり傾いたり、倒壊の可能性もあります。

歯も同じです。歪んだり咬合力が分散せず一部のみに過度な圧力がかかっていると歯や歯ぐきは甚大なダメージを受け続けます。まず顎の動きの正常化(土地の整備)を行ったうえで補綴治療(家を建てる)を行うということが大事です。

前歯が壊れたのは結果に過ぎず、原因は奥歯にあった症例

前歯が折れてしまいました

咬み合せ治療60代の女性の方です。
左上(向かって右)の前歯が折れてしまったため、来院されました。
以前にも何度かはずれているとのことでした。

前歯がかけました

咬み合せ治療折れてしまった歯のさらに左奥の下の歯は表面の白い部分がかけてしまったとのことでした。
この歯も以前からたびたびトラブルを起こしてていたとのことでした。

レントゲン

咬み合せ治療全体をみわたすレントゲン写真です。向かい正面で見るので左が患者様の右となります。
左右差が極端であることがわかります。

模型分析

咬み合せ治療ただ、前歯だけを治したのではその場しのぎにしかならないと判断し、あごの動きをシミュレートすることとしました。
写真はあごの動きをシミュレートするアーティキュレーターという器械に患者様の模型を装着したものです。

左右差

咬み合せ治療お口を見ただけでは左右差はわかりません。どこを基準に高さを見ていけばいいのかわからないからです。

アーティキュレーターにて分析すると、写真のように左右差があることがわかります。左右の足にちがう種類の履物を履いたら非常に歩きにくく、体に負担をかけてしまうことは想像できるとおもいます。

まして口という小さな空間にこれだけの左右差があれば、何らかの障害が出てくるのは想像に難くありません。

しかし、左右でちがう履物を履いたときと同様、筋肉は慣れてしまうのです。そして気がつかない間に体の弱い部分に疲労が蓄積されていくのです。

左側面観

咬み合せ治療こちらも奥歯が基準よりだいぶ長いことがわかります。

右側面観

咬み合せ治療赤線が基準線です。
金属の台と平行になるのが理想です。
左右差ばかりでなく前後差もあることがわかります。

上下でかみ合わせたところです。
下の奥歯が上の奥歯よりも、上のほうにのびているのがわかります。

左側面観

咬み合せ治療上の奥歯が下の歯を押しつぶすようにかみこんでいつのがわかります。
下の歯は、上の歯に合わせて被せ物を作られたので、だいぶ短くなってしまっています。

顎の動きをシミュレートする

咬み合せ治療下あごを左(向かって右)に動かしました。
右の奥歯ばかりあたってしまい、前歯は全く当たりません。

顎の筋肉は奥歯が引っかかることを非常に嫌います。
何とか上下の前歯を当てようとして不自然な動きをします。
その時過大な力が前歯にかかるのです。
前歯が壊れたのは前歯の状態が悪いためではなかったのです。
奥歯に強い引っ掛かりがあったことが原因だったのです。

咬み合せ治療

口腔内

咬み合せ治療咬実際の口腔内では写真のようになっていました。
みごとに奥歯が引っかかっています。

「カチカチかんだときは奥歯があたって、前歯はあたらない。
ギチギチかんだときは前歯があたって、奥歯はあたらない。」
これがかみ合せの基本なのです。

対角線の法則

咬み合せ治療左前の歯にトラブルが出たときは、たいてい右の奥歯に原因があります。
逆に右前の場合は左奥です。

このように対角線で症状が現れることが多いのです。

口腔内写真、模型によるシミュレートを患者様にお見せして、前歯だけの治療ではまたトラブルがでること、基準線にそって歯の長さを調節すれば、あごの動きがよくなり、歯に過大な力がかからなくなり、首や肩の筋肉への負担も小さくなる可能性があることを説明いたしました。

咬み合せ治療保険を使わない高額な治療でも左右差・前後差を考えなければ、悪い機能をそのままに材料だけ置き換えていることになると思うのです。
歯科オペラデンタル浜松は材料よりもまず、設計を大切に考えております。

年齢 68歳
治療期間 6ヶ月
治療費 約6万円/3割負担
リスク・その他 他の医院でインプラントを行っています。保険でインプラントを直すことはできないため、下顎は保険の入れ歯となりました。

咬み合せと不定愁訴(肩こり、腰痛etc…)の関係

咬み合せと肩こり昨今の研究で咬み合せと不定愁訴(肩こり腰痛、頭痛など)に密接な関係があることがわかってきました。咬合不正により不定愁訴が起こる、咬合治療によって不定愁訴が改善するといったケースです。

しかし噛み合わせと全身の問題は学問としては未だ確固たる科学的な裏づけがないのが現状であり、多くの研究者臨床家によって現在盛んに研究されている分野です。

よって、歯の高さの左右差をしく無くし、バランスをよくして食事をしやすくするいった、本来の歯の治療の副産物として、全身の不定愁訴も改善することもあるといった程度にお考え下さい。

咬み合せの治療法

咬み合せの治療法

咬み合せの治療は、最終的には被せ物治療もしくは矯正治療となります。装着すると適切な咬み合せになるように設計されたスプリントと呼ばれるマウスピースを着けて生活していただき、日常生活に違和感の無い顎の位置を決め、その位置で被せ物を作ったり矯正治療を行ったりします。治療の流れ(※大まかな治療の流れであり、症状によって多少その流れが違う事もあります)は以下の通りです。

  • ①まずは精密診断

    咬合精密診断まずは虫歯・歯周病の検査をはじめ、顎関節や歯の咬み合せ状態をさまざまな機械を使って咬合精密診断します。この時にお口の写真はもちろん姿勢やお顔の術前写真も撮影します(頚椎とかみ合わせの関係を見るため)。

  • ②スプリント作成・装着

    スプリント精密診断より得られたデータを元に、スプリントを作成し装着して生活していただきます。違和感があればスプリントを調整、再度装着して生活、といったことを繰り返し、かみ合わせの正常化を図ります。

  • ③補綴or矯正治療で改善

    補綴or矯正治療適切で違和感のないスプリントが完成したら、スプリントをはめていなくてもそのかみ合わせとなるように、つめ物やかぶせ物、矯正治療の中から適切な治療を選び、かみ合わせへと調整して改善を目指します。

歯科オペラデンタル浜松が行なった咬み合せ治療の症例

当院が実際に行なった咬み合せ治療の症例をご紹介しますので、クリックしてご覧ください。今後も追加掲載して参ります。

咬み合せ治療に精通した医師による咬合精密診断

かみ合わせに精通した医師

当院の院長は、日本顎咬合学会、および日本補綴歯科学会に所属し、日々かみ合わせや歯の修復について研鑽を積んでおります。一般歯科医に比べ、咬み合せ治療経験、技術が豊富であるうえに医療機器を活用したミリ単位での精密診断を行なっております。

※補綴(ほてつ:見た目やかみ合わせを被せ物や入れ歯など人工の歯で補う治療法)

  • CADIAX4

    CADIAX4キャディアックス4は、口を開閉したときの顎の関節の位置を測定し、開閉の軌道が前後左右にどれくらい変位しているかを3次元的に確認できる精密機械です。アゴの動きがズレている場合、すぐに、どれくらい、どのような動きでズレているのかわかります。CADIAX4の精密検査によって、より的確な処置が実施可能となります。

  • サジタリウスによる顎関節X線撮影

    サジタリウスサジタリウスは、顎関節のX線規格撮影を可能にした装置です。顎関節症を調べる時にレントゲンを撮影しますが、複数レントゲンを撮影する場合に全く同じ状態(規格)ですべてのレントゲン撮影を行うことはほぼ不可能です。しかし、サジタリウスがあれば、時間による変化を同一規格で撮影することができるので、より正確に顎関節の変化を調べることができます。

  • セファロレントゲン

    セファロレントゲンセファロレントゲンは、通常のレントゲンでは不可能なセファログラム((頭部X線規格写真)撮影ができます。アゴだけでなく、顔面、頭部の撮影を撮影して分析・診断をすることができます。

  • 咬合器

    咬合器患者様の歯並びを模型で再現して、それを3次元的に動かすことで視覚的にアゴの動きを把握できます。歯並びの前後左右の差や、頭蓋骨のズレからくる上顎の歯並びのズレが把握できます。

咬み合せ治療成功のカギは、精密診断

人間の顎はミクロ単位まで認識できる超精密器官ですので、顎の位置決めを、あやふやな感覚だけに頼るのではなく、いかに正確に精密に決められるかということが重要になります。ですから正確な咬み合せ治療には、精密な咬み合せ診断が必須条件といえるでしょう。

咬合診断

浜松市で咬み合せ治療を受診希望の方は、お気軽にご相談下さい

浜松市で咬み合せ治療

このように歯科オペラデンタル浜松では、咬み合せの精密診断および、補綴&咬み合せに精通した医師による咬み合せ治療が受診できます。そのため、浜松市のみならず静岡県全域より口コミやインターネット経由で多くの患者様に来院頂いております。

咬み合せ治療は非常に難易度の高い分野ですべてが完治へ向かうわけではありませんが、今現在よりは良くなるよう適切な治療をご提案致しますので、お気軽ご相談ください。