必ず奥歯がダメになる歯並び・開咬の矯正治療

投稿日:2021年8月22日

カテゴリ:05.矯正(大人)の症例 09.咬み合せの症例

30代男性です。

虫歯もないのに奥歯が数本痛くなり、神経を取っているという経緯を持った方です。

一目見て原因がわかりました。この方は 開咬 です。

開咬は奥歯が高い確率でダメになる歯並びです。
また、この歯並びは高い確率で顎関節症になるとも言われています。

正常な歯並びでは、カチカチ噛んだ時には奥歯が当たって前歯は当たらず、ギチギチ歯ぎしりした時は前歯や犬歯が当たって奥歯は離れます。
それに対し開咬は、カチカチ噛んでもギチギチ歯ぎしりしても奥歯しか当たりません
これによって奥歯が負担過剰でダメになってしまうのです。
具体的には、負担過剰で虫歯もないのに痛み出し、神経が死に、歯の根が割れ、抜歯となります。

不幸の連鎖は続きます。
抜歯したところに入れ歯を入れても痛くて使えません。歯が割れるくらい大きな力がかかるからです。
インプラントを入れても、インプラントが負担過剰でダメになります。もしくはインプラントに咬み合う反対側の歯が負担過剰でダメになります。

上記説明に患者さんは心当たりがあり、奥歯が実際にどんどんダメになってきていたため、矯正治療をされました。

目立たないマウスピース矯正では少々不安があったため、ワイヤーを使った矯正治療を行いました。

矯正治療方法は MEAW法(GEAW法)です。

MEAW法は開咬治療に非常に適した治療法と言われております。

なお、MEAW法とGEAW法の違いは使用するワイヤーだけであり、咬み合わせや治療の考え方は同じです。GEAW法の方が口の中でワイヤーが邪魔にならないと思います。

1年3ヶ月後です。

カチカチ噛んだ時は奥歯が当たり、ギチギチ歯ぎしりした時は前歯が当たることによって、前歯・奥歯が互いを守る歯並びとなりました。

25年以上歯科治療に携わってきましたが、歯並びの悪い人はどんなに虫歯や歯周病に気をつけていても、40代から歯が悪くなってきます。

歯並びが悪いと特定の歯に力がかかり、その歯が割れたり、揺れ始めてきて、最終的には抜歯となります。

歯は普通28本あります。

悪い歯並びを社員数28人の会社に例えると、非常に人員配置の悪い会社となります。

営業が得意な人に技術開発をさせたり、有能な人を窓際に追いやったりとした状態です。

不向きな仕事をさせられた上に過剰な仕事をさせられ、しかも社員数が減ってきたにも関わらず仕事量は同じならば残された人は過労死します。歯の過労死→抜歯です。

虫歯や歯周病だけでなく、咬み合わせの予防 を強くお勧めします。

 

年齢 性別 34歳 男性
治療費用

55万円+1.1万円×15回+保定装置5.5万円=770,000円(10%の税込)

最大に見積もって1,001,000円(10%の税込。税抜きだと91万円)

治療期間 1年3ヶ月(15ヶ月)
リスク ワイヤーが表から見えます。
当医院では目立たないマウスピース矯正(インビザライン)も行なっていますが、歯並びがあまりにも凸凹の方に関してはワイヤー矯正を勧めています。